専門俳人を目指しています。俳句評論執筆のための文章修練、及び俳句実作。厳しい批評をお待ちしております。

# 二十四節気俳句生活

# 天穹 6月号

「天穹」6月号が届いた。

掲載順はあまり良くなかったが、今月は、今年から同人にしていただけたためか、句評のページの原稿を頼まれている。
同人になっていない方の掲載ページから好きな句を何句か選んで評を書くのである。初めてなので気合が入っている。

このブログでは、いつものように主宰以下幹部の方々の句より。


迷ひ込む路地や葉牡丹茎立てり  佐々木建成

私も参加した吟行会での句。よく言われることに、「吟行に参加している人にしかわからない句は、吟行会だけのもの」などと言われるが、この句は吟行を離れても完全に成立している。
実景は佃島であるが、他の下町のどこかでも、京都でも成立する。


啓蟄の土塀に熊手立ち並ぶ  野間しげる

何の作業のための熊手かわからないが、私には大変に実感が湧く。啓蟄の頃は芝の手入れを始める時期、熊手で芝の枯れ葉(サッチ)を集め、根切りやエアレーションを行い、最後に目土(私は川砂)を入れる。今年はサボったので雑草が生え始めている。


噛む程に田の香の滲む田螺和  籠田幸鳴

小さくとも栄螺にも匹敵するような田螺の歯応えを「噛む程」の措辞で上手く表現している。「田の香」は泥臭さか? 少しであれば懐かしい香りである。


故郷を出で来し位牌草の餅  屋内修一

後継者がいなくなった生家の位牌を引き取ってきた。もしかしたら墓仕舞いも。少子化で、今後は当たり前となる光景であろう。「草の餅」は故郷の懐かしさを感じさせる。
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# 「俳句」 6月号



「俳句」6月号が届いた。
表紙の顔写真は宮部みゆき氏。
俳句をタイトルとした短編小説集の小冊子が付録として付いている。
宮部みゆきは私も好きだし、俳句をやらない家内も好きなので、かなり得した気分。


浜仕事開花落花にかかはらず  西村和子

若布干の2句の次の句。忙しい時期なのだろう、開花してすぐ落花してしまう桜を楽しむ余裕のないさまをさらりと句にしている。

遠足の子らより婆の好奇心

子どもは大人より好奇心旺盛なもの、といういわば常識が通じなくなってきている。私の子どもたちを見てもそう思う。それに比べて高齢女性達のお元気なこと!


朝東風に煽られて買ふ金目鯛  井上弘美

旅先の非日常にどうしても財布の紐は緩くなる。そんな観光客が狙われる。海からの朝東風が吹けば、舞台設定もバッチリである。


食べごろを一日遅れ蕗の薹  伊藤敬子

蕗の「薹」とはいうものの、土から出たばかりの若いものが珍重される。一日遅れでももちろん食べられるが、天ぷらはやめて蕗味噌にしてしまおうか、などと思うものである。


夕方のきれいな眉や立葵  山口昭男

繁華街でこれから店に出る女性を詠んでいる。「立葵」だから花街の芸者・芸姑さんではなく、ホステスさんであろう。
あるいは作者と待ち合わせて、寿司でも食べてから同伴出勤するのだろうか。


卒業子とはかたまつてゐたるもの  仙田洋子

全くそのとおりでお見事というほかない。仲良しグループはもちろんのこと、普段はソロ活動の子どもも、この日ばかりは名残惜しく、帰り難い思いがする。


河鹿鳴く平家の谷の非戦論  山咲一星

日本全国ではあちこちにある平家落人の集落。河鹿の鳴くような場所にありそうであるが、平家に限らず、日本人全体がもはや「敗残兵の子孫」になりつつある。落人集落がそうであったように、日本人もいつまでも非戦論者であり続けるべきであろうか。

# 会津旅行

5月3~4日と、会津地方に家族旅行に行ってきた。

五色沼は残念ながら時おり雨がぱらつく天気で、自然探勝路を歩くのは中止にして毘沙門沼の見学のみ。

目についたのは「ドローン禁止」の看板。
五色沼ドローン

秋櫻子句碑。
五色沼句碑
水漬きつゝ新樹の楊ましろなり


大内宿は駐車場に入る車で大渋滞。

近くの蕎麦屋で、「ねぎ蕎麦」
ねぎ蕎麦


泊まったのは父の知り合いが経営しているペンションで、私は2回目だが20年ぶりくらいの訪問!

猪苗代表磐梯雪解風
落葉松の中のペンション若緑

# 「天穹」5月号

「天穹」5月号が届いた。掲載順はまずまず。


市の部長二月礼者として上京  佐々木建成

これが中央官庁から派遣された「副市長」とかであれば、御用始の後、何をおいても出身官庁に向かうのでしょうが、そこまでの関係でなければ少し時間を置いて他の用と合わせて「二月礼者」となるのでしょう。この季語を現代に蘇らせています。


たんぽぽの絮飛び宇宙膨張す  福田龍青

ハッブルの唱えた宇宙膨張、未だにピンと来ませんが、丸くふわふわした絮が散らばる様子が、無数の銀河が離れ離れになる姿てをイメージいているのでしょうか。


髪結ぶリボン桃色春の雪  野間しげる

とても鮮烈な映像が目に浮かびます。雪国でなければ、春の積もらない雪でも子どもたちは何となくウキウキします。
実景かわかりませんが、「出来すぎている」とは思いません。


寸ほどの畑に大根くく立ちぬ  山口美智

広い畑に取り残した大根が茎立ちしているのが普通ですが、家庭菜園でも、いや家庭菜園だからこそ収穫のタイミングを逸してしまう。無精とは決して思いませんがどこかユーモラスな句です。

# 俳句 5月号



金子兜太追悼号。別冊の「金子兜太読本」は後ほどゆっくり読むとして、本誌の中では秘蔵インタビューが面白かった(季語の問題やアニミズムの話など)。
昨年暮れに、よくこれだけまとまったインタビューを取れたものだと思う。


まんさくや痒い目を掻かない努力  池田澄子

「花粉症」と言わずに花粉症を詠んでいる。
私も同じことを考えてこんな句を作ってみたがイマイチ。
マスク越しも多弁な春の保険マン


公園に遊具残して鳥帰る  大串章

「遊具に止まっていた鳥が帰った」ではなく、取り合わせの句として鑑賞した。
鳥が帰ることと、無人の公園の寂しさの対比。


坐禅草昔は米を作りし田  青柳志解樹

休耕田を詠んだ句はよく見かけるが、「坐禅草」だけで深山幽谷、というより過疎化の厳しい村の景が見える。

春の庭しばらく眺め竹間引く

「しばらく眺め」がいい。きちんと間引かれて管理された竹林も美しいが、そうする前の生命力も頼もしく見える。


東京弁怖し三社の祭衆  大久保白村

神輿担ぎはあちこちに遠征する。荒っぽい浅草の担ぎ手に地元民が萎縮している姿がユーモラスである。

# プロフィール

鈴木霞童

Author:鈴木霞童
平成25年「天穹」入会。30年同人。
定年後に専門俳人になることを目指して修行中。

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