専門俳人を目指しています。俳句評論執筆のための文章修練、及び俳句実作。厳しい批評をお待ちしております。

# 二十四節気俳句生活

# 篠弘「日日炎炎」

「まひる野」代表、篠弘先生の最新句集。

昨日のブログにも書いたが、「まひる野」の基本姿勢である「生活実感」を詠われている。

恩人はここに果つるや転びにし地下鉄の場所に来て立ちつくす
うながしてまとめむとする役回り司会者われはことばを探す
常連の客のひとりとならび立ち高き書棚に胸をそらせり
午後からの会のはじめに声出して己れの声を確かめむとす
桑原の「第二芸術」そのページ複写かさねて文字つぶれたる
提言をすればおのづと汗噴けりさびしくもあるか長広舌は
虚無のひと中井英夫と止り木に足垂れたりしここに坐りて
何ゆゑに歌にカタカナ語多用すとキーン氏に諌められし一言
いくたびもソーラーパネル勧めくる電話のありて氷雨降りそむ
節電にまなこは馴れて地下道に消されしままの灯を数へゆく


十首選んで掲載させていただいたが、中井英夫やキーン氏の名前が出てくることを除けば、まさに生活の実感をそのまま詠われている印象がある。

一歩つづでも近づいて行きたいと思う。
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テーマ:短歌 - ジャンル:小説・文学

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# 無銭飲食 第3号

ログを始めてから、「まひる野」のブログも見る機会が増えた。

前から気になっていて先日注文した、第56回まひる野賞受賞者・山川藍さんと、第59回まひる野賞受賞者・北山あさひさんのユニット「北山川」の冊子無銭飲食 第三号が届いた。
無銭飲食3
ご覧のとおりとても可愛らしい装丁。写真ではいまいちわからないがとても丁寧に製本している。
あ、サインして送ってもらえばよかったと、今気づいた。

冒頭は御中虫さんの俳句。
「おまへの倫理崩すためなら何度でも車椅子奪ふぜ」も「関揺れる」も気になっていながら読む機会が無く、まとまった作品を読むのは初めてかな?

雪は耳飾りだみんな無くなるもの

雪は解けてなくなる。イヤリングやピアスも、失くしやすいものなのだろう。しかしそれ以上に、小さくて雪のようになくなりやすいもののあれこれを想像させられる。「耳飾り」はそれを呼び起こすための仕掛けである。

次に兵庫ユカさんの短歌

買ったばかりらしい指輪を取り出して電車の中で嵌めているひと

指輪を取り出して嵌めている。私などは自分で買ったのかプレゼントされたものなのか区別がつかないと思うのだが、女性はそのあたり敏感に察知するのだろう。そしてこの歌の作者は指輪を嵌めている人の心情を慮るのだ。「自分で買った指輪を嵌める」ことは幸福なのか不幸なのか。答えは二者択一ではなくもっと複雑なものだろうが。

続いて北山あさひさんの短歌

陽気なるウールセーター死ぬまでに往復ビンタをしてみたいのだが

これは俳句でいうところの「取り合わせ」である。死ぬまでに往復ビンタをしてみたい、なるほど、今の時代、往復ビンタなんて死ぬまでしない人が大半であろう。むしろ、しなければならない状況に置かれた人は不幸かもしれない。そして「陽気なるウールセーター」は作者が着ているのか、あるいは箪笥から出すなどして見ているのか。少し華やかな色の、もしかしたらちょっぴり苦い思い出のあるセーター、ふと「往復ビンタをしてみたい」などと思ってしまうような。

そして山川藍さん

給料は手で触れるたびすり減って財布にしまう迄に半額

上手いこと言うな~。確かに、天引きされる社保や税金を除いても、公共料金やカード払い、家賃か家のローンが引き落とされたら財布に入る迄に半分以上なくなる。それを、そんなふうに自分で支払う行為をしないことの意味なのかと思うが、「手で触れるたびすり減って」などという表現はなかなか出来ない。

その他にも楽しい読み物やイラストが満載である。
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# プロフィール

鈴木霞童

Author:鈴木霞童
平成25年、俳句結社「天穹」入会。
定年後に専門俳人になることを目指して修行中。

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