専門俳人を目指しています。俳句評論執筆のための文章修練、及び俳句実作。厳しい批評をお待ちしております。

# 二十四節気俳句生活

# 弔事

句座を共にした方のお通夜に参列してきた。
徳英さん
主宰のお姿もお見かけしたが、新卒の頃、主宰は新東京国際空港公団の副総裁、亡くなった方は用地部長だった。
一定以上の年齢の方には、成田空港公団の用地部長がどのような職責を負っていたか、想像して頂けるのではないだろうか。

斎場は高校時代に三年間通った駅の近く。
三十年前と変わり映えのしない古い城下町である。(城下町は古いに決まっているが)

随分前に斎場になったが、その前は「京都会館」という名前のパチンコ店だった。
パチンコがまだ一般的なレジャーだった頃、母校の教師たちはここを「修学旅行」という符丁で呼んでいたようである。

日記果つ父老い長嶋茂雄老い 小川軽舟

小川軽舟はこの近くの出身。ご本人は違うが、お父上は長嶋茂雄の先輩とのことである。(「シリーズ自句自解」より)
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# 白濱一羊「喝采」

昨日のブログで取り上げた白濱一羊氏の第一句集「喝采」。

本句集で2007年度の俳人協会新人賞受賞。現在「樹氷」主宰。

この作家の特長はずばり、「新しい発見」+「詩情」である。

屈葬の形で眠る雪の夜
軽々と十字架背負ふ聖夜劇
毬栗に阿吽の形のありにけり
サッカーのキーパー独り凍ててをり
四隅から埋まる寄書き卒業期
目の玉の透き通りたる蝉の殻
弁慶の美男にすぐる菊人形
目と口のほか春泥のラガー達


また、「新しい発見」+「俳諧味」も大きな魅力である。

初電話賀状と同じことを言ふ
風呂吹のまづ真二つに割られけり
通学のバス丸ごとの更衣
スカートと呼べぬ短さ万愚節
軍隊の話へ戻る夜長かな
敵味方ともに焚かれて菊人形
三鬼忌の首落ちつかぬ水枕


ご職業は高校教師とのことだが、「ならでは」の句も散見される。

写生句でも独自の句境を示す。

幽霊のみな羅であらはるる

そして、今月号の「俳句」に掲載されたような社会詠。

地球儀のどこかが飢ゑて豊の秋

第二句集の発表が待たれる。

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# 安保関連法施行

安保関連法本日施行。
昨年からのゴタゴタでは、歌壇ではまさに「反対一色」で、総合誌では一時期そのような歌ばかりが並んでいたが、俳壇はそうでもなかった。(具体的な数字で表すまではしないが、印象では明らか)


角川「俳句」4月号では、白濱一羊がかなり突っ込んだ句を発表している。

「戦争のつくりかた」と題された12句では、

冒頭の

大根抜くやうに首相を変へれぬか

から始まり、

鬼の豆ぶつけたき顔他にあり

のようなヒートアップした句があり、

戦争のはじまつてゐる桜かな

で終わっている。

一羊は『喝采』で俳人協会新人賞受賞、現在は小原啄葉から「樹氷」の主宰を継いでいる。

理知的な俳句を作る好きな俳人で、結社から原稿執筆の依頼があったら「私の好きな俳人」という欄にでも書こうかと思っていたのだが、「天穹」2月号で書いた方がおり、先を越されてしまった(^^;

もっとも、天穹は常に投稿ウェルカムなので、依頼がなくても書いてしまってももちろん良かったのだが。

白濱一羊氏のブログはこちら

# 主宰のお誕生日

今日、3月28日は天穹の我らが主宰 佐々木建成誕生日である。

今後も時に優しく、時に厳しくご指導いただきたい。(「優しく」を先に持ってきているのがポイント)

誠に僭越ながら、一句進呈させていただきます。

野風増なる若者数多青き踏む

# 花篝句会

天穹では同人になっていない会員の句は「花篝」という欄に掲載されるが、今日はその花篝会員の鍛錬句会。

主宰、副主宰はじめ結社の幹部の方が選者・講師となり、吟行席題の句会がある。

先週の吟行会で無声だったので、今日は吟行地を予習するため、ネットである程度調べておいた。

吟行地は世田谷の松陰神社。
松陰神社
実は我が家は、戦時中に別荘のあった成田に疎開するまでこの辺に住んでいたとのこと。

曽祖父は明治神宮の造営にも参加した植木職人で、売り物の植木がたくさん植えられた大きな庭は、近所の人に「公園」などと呼ばれていたようだ。また祖父は、この近くの世田谷区役所に勤めていたとのこと。

訪れたのは30年ぶりくらい。祖母に連れられて、「うちは前はこの辺にあったんだよ」と教えられた場所がどこだったか全く思い出せない。何といっても、松陰神社前の駅が無人で改札がなかったことに驚いた。

今日の吟行に使おうと思っていた季語はもちろん「花」「桜」。
成田は開花したばかりだから、都内はちょうど見頃かと思っていたが、、、あれ? 着いたらまだ二分咲き程度。「初花」「初桜」に時点修正である。

松蔭坐像
吉田松陰。
何の因果か、地縁の他に血縁にも関係のあるお方である。
安政の大獄で刑死した松陰がこの地に祀られた文久3年、先祖の鈴木雅之の舅は御家人であったが、長州藩が外国船を砲撃した「下関事件」について詰問使の一員として幕艦「朝陽丸」で長州に赴き、奇兵隊に殺されている。

とはいえ、祖父から松陰や長州への恨み言は聞いたことがないし、この松陰神社をお参りした記憶もあるので、少なくとも祖父の代には「恩讐の彼方に」去っていたのだと思う。

三軒茶屋駅地下で昼食を取り、バスで句会場へ。

吟行での嘱目二句による句会の後、一字詠み込みの席題。
今日のお題は「」と「」。
先週の無声から一転、皆さんに点も入れていただいたし、席題「取」では次の句で主宰の「」をいただいた。

通信簿箪笥に匿し田螺取

# 「俳句」4月号


特集は「取り合せ」徹底研究

「二物衝撃」ばかりが「取り合せ」ではない。「二物配合」や「二物照応」「二物感合」もある。
特集の中で筑紫磐井が「誤解を恐れずにいえば」と前置きをした後で「取り合せ=江戸時代の俳諧用語、配合=近代俳句用語」であるとしている。理由は読んでいただくとして、このような捉え方があるとは新鮮だった。

なお、特集で書かれてはいないが、「取り合せ」と「一句二章」は同義と考えて良いのだろう。

巻頭五十句は小川軽舟

梅咲いてユニクロで買ふもの軽し

梅の季節に春物を買ったら軽かった、というような単純な句には読めない。
まだ寒い梅の季節、ユニクロで「軽いもの」といえばウルトラライトダウンを真っ先に想像する。「梅」という季語で余寒を表現した句である。

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# ちはやふる 上の句

ネタバレ無し
ちはやふる

観客動員ランキング初登場4位。やや「コケ」に近いのだろうか? 1位は3週連続の「ドラえもん」。毎年強いね。
しかし日本の映画界は「ドラえもん」を始め「クレヨンしんちゃん」とか「名探偵コナン」とか「プリキュア」シリーズとか毎年恒例の子供向けアニメ強すぎ。
何といっても昨年末は2週にわたって「妖怪ウォッチ」が「スターウォーズ」を抑えた。こんな国、世界中で他にねえよ。(いい意味でのガラパゴス)

この「ちはやふる」、原作が「マンガ大賞」を獲ったのが2009年、もう7年も前になる。
当時から、先に実現したアニメよりも実写向きだと思っていた。スピード感や着物の華やかさは実写に分がある。
その頃なら千早役は新垣結衣。

広瀬すずは原作の千早とは随分イメージが違う。同じところはお姉さんがグラビアアイドルというところだけだ。この「姉妹で美人タレント」というところが、広瀬が主役に選ばれた大きな要因と思っていたが、姉の広瀬アリスはほとんど出てこなかった。

しかし魅力的な女優であることには間違いないので、原作とは違った千早を魅せてくれると思い、期待して見に行った。

結果は、まあ及第点。オープニングとエンディングは非常に良かった。
脚本は原作通りでないのはもちろんいいのだが、うまく消化しきれていない。比較的低予算で作られているようなので、こんなものかとも思うが。
低予算といえば、キャスティングは広瀬以外チープな感じだが、悪くなかった。
太一も新も見たことのない俳優だったが、上手くハマっていた。
かなちゃん役の上白石萌音は『舞妓はレディ』で見ているが、他は考えられないくらいの当たり役。
西田、駒野はルックス的には似ていないが役としては悪くない。
須藤、ヒョロくんもベリーグッド。
國村隼の原田先生は原作の医師から別の職業に変わっていたが、この改変は成功。
松田美由紀の女帝も及第点。
続編「下の句」で出てくる若宮クイーンもいい感じ。

京王電車は出てくるのに学校のロケーションがどう見ても府中には見えなかったが、撮影は足利らしい。なるほど。

もちろん昭和の日に公開の「下の句」も見に行く。

★★☆☆☆

  
この原作はBE・LOVE編集部の「引き伸ばし作戦」に遭っているようで物語が遅々として進まない。
作品の成り立ちからして作者が編集者に逆らえないのだろうが。

2巻くらいで終わっているのに18巻まで引き伸ばされた『きまぐれオレンジ☆ロード』を思い出す。


小さな声で言うが、原作者の末次由紀は盗作(は言い過ぎ。剽窃)問題で謹慎した後の復帰作がこの「ちはやふる」なのだが、なんでも担当編集者がかるた選手で、編集者主導で制作された作品なのである。
「マンガ大賞」の表彰式も作者は出席せず編集者が出ていた。

いい加減もう許してやって物語もそろそろクロージングに入るべき。

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# 初心者向け俳句実践講座①

お前こそ初心者ではないか! というご批判は承知のうえ。
初心者だからこそ、これから始める人にいいアドバイスができるのではと思い、この企画を立ち上げました。

本心では、最高25位まで上がったがここ最近35位くらいに低迷しており、またアクセス数も伸びていないことから、こういうページを作れば検索で来てくれる人が増えるかもと思い、シリーズ化するつもりで書き始めます。


初心者向け俳句実践講座(ステップ1 俳句の作り方)

俳句とは、季語を入れ、五七五の一七音字で、「切れ」を一つは入れる、ところまでは知っているという前提で話を進めましょう。

一番初めに読むべき参考書は、ずばり、

藤田湘子「20週俳句入門」である。
とりあえずこれを読みなさい。以上!

と書いて終わってしまっては簡単すぎるので、多少解説すると、俳句には、「一物仕立て」の句と「取り合わせ」の句があり、この「取り合わせ」の句の4つの類型をとりあえず20週で覚えましょう、というのがこの本の勘所である。
私は学習のペースが速かったので(?)10週間でマスター(?)したが、確かに「それらしい」俳句は作れるようになる。ただ「型」にはまりすぎてしまいそれ以上の飛躍の妨げになる可能性もあるが、まず20週、これで勉強しておいて損はない。

# 歳時記⑤


その語句が季語であるか否か。
吟行や席題の句会で主に使うが、自句の季重なりや無季を防ぐとともに、選句の際、同じことを確認する必要がある。
基本的には電子辞書を使用するのだが、結社の句会である時、この季寄せは掲載季語が多く、かなりの部分を網羅していると話題になった。
それ以来、天穹のメンバーはこの季寄せを句会に持参する人が増えた。

私はそれ以前から愛用していて、10月20日の皇后誕生日の句を作り、「季語か否か」の論争になった時に「ここに書いてありますよ~」と見せたことがある。

その時の句がこれ。「三」という題が出ていた。

三垢など縁なし皇后誕生日

取ってくれた人はいなかった。


皇后陛下は歌人として高い評価を受けており、近所の本屋にも歌集が並んでいる。

永田和宏氏の「現代秀歌」で取り上げられていた一首、

かの時に我がとらざりし分去れの片への道はいづこ行きけむ

「分去れ」がどの時点かといえば、それは当然、皇太子妃になることを受け入れた時であると想像できる。
あの時、別の道を選んでいたら自分はどうなっていたのか。歌の重さを考えると、後世に残ってしかるべき一首と思う。

# 月例吟行会

今日は天穹月例吟行会だった。

吟行地は上野寛永寺

初めて吟行会に参加したとき、先輩から「使う季語をある程度決めておいたほうがいい」とアドバイスを受けたが、春夏秋冬で誤魔化せばいいかと、あまり真剣に準備をしなかった。

しかしブログを始めて、「専門俳人を目指す」などと大見得を切ったので、今日はいくつか季語を想定して臨んだ。
吟行地が上野なので、山野や海、農事の季語は使えない。考えた季語は、「初花」「初桜」、「木の芽」「木の芽風」、「春コート」「春ショール」。
過去には他の人と被らないように、王道の季語ではなく、あまり使われない季語を使ってみたこともあるが、こればかりは思い通りにならない。狙った季語が被ることも多いので、あまり気にしないことにする。

天穹の吟行のルールは、吟行だから嘱目なのは当然だが、「当季」に限られている。
今日は池にメダカがいたが、これは使えない。

寛永寺は墓地が広く、今日は彼岸のお中日、当然ながら墓参に訪れる人が多く、境内にも車が溢れていた。
寛永寺1寛永寺2
天穹では、吟行の嘱目句はその日の気候も重要視されており、今日は暖かく、想定していた季語の「春コート」「春ショール」は使えない。(もちろんコートを着ていた人はいたが、季語の本意でない)

句会場は地下鉄で二駅の浅草。

四句投句はいつもの通りだが、今日は会場の使用時間が短く、選句は四句。

そして結果は、



なんと、



俳句を始めて二年数ヶ月、



俳句人生初めての



無声でした。



その無声四句を晒します

天海の所縁の庭や霞草
江戸彼岸江戸は上野の寛永寺
蘖やジャングルジムの上に伸ぶ
瑞香や露伴の瓦葺きの門


反省すべき点は、吟行地の予習不足。
寛永寺なら、行こうと思えば別の句会の帰りに寄れたし、せめてウェブサイトで下調べくらいすべきだった。

来週も吟行がある。
今度の会場は遠いので下見は無理だが、ネットで下調べはしておこう。

今日の選句では、四句のうち二句が主宰詠だった。
そのことを主宰から声を掛けていただいたことが収穫である。
会計部長からも「選句が良かったということだよ」とお褒めいただいた。

そして目標が生まれた。
俳句をやっている以上、今後も無声は避けられない。
俳句を始めて二年ちょっとで初の無声だったので、
これから二年半は無声にならないように頑張る、ということにしよう。

# プロフィール

鈴木霞童

Author:鈴木霞童
平成25年、俳句結社「天穹」入会。
定年後に専門俳人になることを目指して修行中。

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