専門俳人を目指しています。俳句評論執筆のための文章修練、及び俳句実作。厳しい批評をお待ちしております。

# 二十四節気俳句生活

# 季題別 飯田龍太全句集



「全句・集」ではなく、もちろん「全・句集」である。

つまり、「百戸の谿」から「遲速」までの句集に掲載されている句は網羅されているが、「雲母」や総合誌に掲載されたすべての句、という訳ではない。

当然、「雲母」終刊号のまたもとのおのれにもどり夕焼中は掲載されていない。

また、「季題別」のためデータベースとしての価値は高いが、本来の句集の読み方ではない。特に連作がバラバラに配置されているところはマイナスであろう。
連作では特に次女が小学校入学を前に急死した時と母を亡くした時の句はまとめて読みたい。
親を送るのは当然ではあるが、長男、次男、三男を亡くした親であることは念頭に置くべきであろう。

さて、私は龍太が亡くなってから俳句を始めたので「飯田龍太の代表句」として知る限りだが、
「百戸の谿」の紺絣春月重く出でしかな
「遲速」のなにはともあれ山に雨山に春の間に30年もの歳月が流れていることを知ることが出来たことは収穫であった。古書肆か図書館で現物を読めばもっと実感が湧くのであろうが。


全十句集より、気に入った句を一句づつ、なるべくあまり有名でない句から選んでみた。

親しき家もにくきも茂りゆたかなり  百戸の谿
鶏鳴いて梅はつぼみの精米所  童眸
少年に山百合遠し川ふかし  麓の人
水鳥の夢宙にある月明り  忘音
捨てられし仔猫に小春日和かな  春の道
少年の毛穴十万寒の闇  山の木
山々と共に暮れゆく木の実かな  涼夜
蛇笏忌の空屈強の山ばかり  今昔
秋の空いまはのきはの蛾の眼にも  山の影
冬の雲古墳おほかた暴かれし  遲速
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テーマ:俳句 - ジャンル:小説・文学

# まひる野 5月号

「まひる野」5月号が届いた。いつもより早い。

今月は10首投句で5首掲載。それなりの自信作を出しているのだが、他の会員の歌と並ぶとやはり見劣りする、、、とまでは思わないが、皆さんお上手だ。

鈴木霞童選 「まひる野」5月号、今月の一首

こゑ低き高三の女子「妹にインテリやくざと言はれてをります」 柳 宣宏

旧仮名を使っているため短歌らしく見えるがなかなか凄い内容だ。
作者は女子高の先生であるという情報があれば「ああ」と思うが、なければどう捉えられるだろうか。


さて、「まひる野」の歌稿投稿は「毎月20日~月末までに着」と決まっている。毎月22~24日頃に投函しているのだが、今月はのんびりしていて28日の投函になってしまった。発行所は鎌倉なのでギリギリ間に合ったかとは思うが、正直なところ締め切りは数日遅れても大丈夫だろうと思っていた。
ところが、今月号から「短歌結社雑誌発行事情」というミニコラムの連載が始まったのだが、そこにはなんと「締め切り過ぎての到着、字句の訂正の依頼も届くがこれは無視」なとど恐ろしいことが書かれている! 危なかった~

# メール句会

天穹成田支部の支部長さんが幹事役となっている「メール句会」がある。

これは本来、成田支部を立ち上げるための準備段階として、「天空会」の成田空港関係者を中心に月1回、24日締切の雑詠4句投句、5句選うち1句選評付き特選、のルールで開催されている。

今日、今月の選句結果をいただいたが、ここのところ好調で、点盛りは2ヶ月ぶりのトップ賞。もちろん点盛りが全てでないことは重々承知しているが、やはり純粋に嬉しい。「やった!」という感じである。

ところで、そもそもこのメール句会は成田支部が立ち上がったことにより発展的解消をするはずだったのだが、人数が増えていてそうもできなくなり、支部長さんには負担をかけてしまっている。(私が代わることも出来るのだが、もうしばらく作者名がわからない状態で選句したいのが本音である)

しかしこの句会、やる気のある方が多く、とても刺激になり、毎月楽しみにしている。
同人も多いし、俳人協会員もいる。もっと言えば、成田空港関係ということもあり国交省の元局長もいたりする。

今回の4句のうち、点が入らなかった1句がこれ。

ギブソンを鳴らすイケメン花篝


これがギブソン(というメーカー)のレスポール(というギター)。
花篝に浮かぶイケメンがこれを弾いていたら絵になりませんか?(笑)

# 龍太語る



「雲母」終刊後、亡くなるまで山梨日日新聞の記者が毎週山廬を訪れて聞き取った話を構成したもの。生前本人が校正しており、没後長男秀實氏の全面協力のもと刊行されている。

昔語りから様々な人との交流の話がメインの「気楽な読み物」の体だが、時折「龍太らしい」発言も見られる。

「本物の二流になりたいと思っている。それは一流が分かる人。一流なんていう人は何世紀に一人」
「第一級の作品は句碑に向かない。特定の場所に碑を建てて『ここがそうだ』などと言ったら実に味気なくなる」
「名句は俳人だけの評価で定まるものではない。真の名句とは、俳人以外の人々のこころに響いて共感を得た場合に生まれる」

# 飯田龍太の時代



それにしてもすごい人気だと思う。

総合誌の特集や連載でこれほど多く見かける人はいない。

私など他の著名俳人と比べてどこがどう凄いのか今一つわからないのだが、はっきり言えることは「雲母」をあっさり終刊して、その後一切新作を発表しなかったことにより「特別な存在」になったことはわかる。

その「雲母」終刊に至ったいきさつは、本書に再掲されている「雲母」終刊号の「『雲母』の終刊について」や、亡くなる3年前の三枝昂之・今野寿美夫妻(いずれも歌人)との鼎談などに書かれているように、「体力的に選がきつくなった」ということだろうし、「雲母」終刊後新作を発表しなかったのは、納得のいく句を作れなくなった、ということのようだ。
無論、当たり前のようになっている主宰の安易な世襲についての批判(自戒も込めて)もあるのだろうが、副次的なもののようだ。

ともあれ、十年後二十年後、この作家の名前は益々大きくなって行くのだろう。

# 「俳句」5月号



角川「俳句」5月号が届いた。
特集は「飯田蛇笏の魅力」。蛇笏賞50回記念、とのことである。

「山廬集」から「椿花集」まで9つの句集の紹介があるが、あの有名句が山廬集では

折りとりてはらりとおもき芒かな

と漢字混じりで掲載されていたと知った。漢字混じりもまた悪くはない。


年4回、季節ごとに「季寄せを兼ねた俳句手帖」が付録として付いて来て、その4回は値段も少しお高いが、定期購読しているとその分割引となりオトクである。

今回の手帖には主宰の句が掲載されていた。(P93)

また、「平成俳壇」には気づいた限りでは「天穹」の方のお名前がお二方掲載されていた。(お二人共過去にも掲載されている)


実はこの「平成俳壇」、今年から私も投句していて、1月に投句したものが掲載されるとしたら今月号。目を皿にして探したが名前はなかった。

ちなみに、投句した1つがこれ

元日や次の総理を予想せむ

これは1月の天空会例会に「予」の題が出て詠んで、1点も入らなかった句である。

句会で点の入らなかった句を投句するなと言われそうだが、いつ政情が変るとも知れず、この句が生きてこないとも限らないと思い投句した。

アメリカ大統領選挙は両党の候補者がほぼ決まった感じだが、共和党のトランプ、民主党で首の皮一枚繋がっているサンダースはいずれも「TPP反対」を掲げている。

ということは日本にとってTPPは成功だったのではないか?

そう、私が句を作った時に頭に描いていた「次の総理」は甘利だったのである。

その後、総理交代どころか甘利の目が無くなっただけであった。

今回の熊本地震も、安倍総理の寿命が伸びる方向に進んでいる。消費増税は出来ない。衆参同日選挙も無理だろう、となると国論を二分する憲法改正も政治日程に上がってこない。余程のことがない限り年内の総理交代はない。

話は戻るがTPP、これまでのアメリカの貿易交渉下手を考えると、本当に、乗り遅れた割には日本にとって成功だったかも知れない。

アメリカの貿易交渉下手といえば真っ先に思い出すのが自動車である。アメリカにうるさく言われてドアミラーを認め、100キロを超えるとカッチンカッチン鳴っていた速度警告音を廃止したものの、アメリカ車なんて買う人はおらずドイツ車ばかりが売れた。日本のディーラーで外国車を取り扱うことにしたって、近くで今でも売っているのはベンツとジャガーだけである。

# 米屋大井戸茶会

成田山のお土産の定番、羊羹で有名な「米屋総本店」の裏手に「不動の大井戸」という銘水がある。
この時期ここで茶会が行われる。

DSC_0032.jpg

成田山の大僧正は代々俳句を嗜まれるようで、
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今日の花筒の短冊には

花雨花風水守り不動雪ぎ吹く 召石

と、先代の住職の句が掲げられていた。

また、この大井戸の水は誰でも汲めることから、サイクリストなどがよく汲みに来る。
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大井戸と山吹、牡丹(牡丹は夏季)。
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松の芯と、奥に熊谷草。

松の影熊谷草に当たりけり


終了後、甘味処で休憩。
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団子と心太と葛餅。欲張り過ぎです。

# 初心者向け俳句実践講座⑨

初心者向け俳句実践講座(ステップ9 暦の問題・その2)

さて、新暦(太陽暦/グレゴリオ暦)に改暦されても、人々の生活はそう変わるわけではない。

今の子供たちは七夕は7月にやっているが、私が子供の頃は月遅れの8月7日が七夕だった。今でも仙台などの七夕祭りは8月である。季語では、旧暦の7月7日だから当然「秋」となる。
もちろん、正しくは旧暦の7月7日が新暦では8月7日というわけではないが、便宜上そうしているのだろう。盆もそうである。

季語では基本的に「一月」「二月」「三月」は新暦、「睦月」「如月」「弥生」は旧暦のそれとして扱うことになっているが、「師走」だけは新暦の12月として使う慣用になっている。

また、歳時記を見れば一目瞭然であるが、「新年」だけは、新年の諸行事を新暦に合わせている。
新年以外の行事は、だいたい旧暦で行われて、季語として詠まれているようである。

一つだけ、是非旧暦に戻してもらいたい行事がある。それは「七草」である。新暦の1月7日では、なずなもはこべも全く生えておらず、七草はスーパーでセットを買うことになる。2月中旬なら、探せばいくらかは生えている。

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# 初心者向け俳句実践講座⑧

初心者向け俳句実践講座(ステップ8 暦の問題・その1)

俳句を始める前は、天気予報で「暦の上では春ですがまだまだ寒い日が続きます」などと聞けば「そうだよな」と頷いてばかりだったが、俳句を作るようになってからは立春で意識の上でも春となった。

実は昔の暦なんて迷信みたいなものかと思っていたのだが、意外や意外(?)、科学的なものである。

夏至と冬至、春分と秋分は誰でも知っているが、
「立春」は冬至と立春の中間点、「立夏」は春分と夏至の中間点、「立秋」「立冬」も同様に夏至・秋分・冬至の中間点なのである。
知っている方には常識なのだろうが、私は俳句を始めるまで知らなかった。

そして四つの季節を六等分したものが「二十四節気」。
春なら「立春」から始まり「雨水」「啓蟄」「春分」「清明」「穀雨」で、この「二十四節気」はすべて季語になっている。
これらは中国から入ってきたものだそうで、それゆえ日本の気候に合っていないという人もいるが、何を仰る、脈々とこの二十四節気で季節を感じ、句を作ってきた歴史がある。

そんな二十四節気を常に感じながら句作していくことを念頭に、このブログのタイトルを「二十四節気俳句生活」とした。

さて、一年365日を二十四節気の24で割ると15日ちょっと。この15日を3つに割ったものが「七十二候」である。
本来はこの七十二候もすべて季語として使えるのであろうが、作句例があるものとない(あるいは知られていない)ものとがある。
例えば春なら「鷹化して鳩と為る」や「田鼠化してと鴽と為る」などが歳時記に例句の多い「季語としての七十二候」である。

また、昔話などでは旧暦の大晦日に豆まきをやっていたりして、「立春=旧元旦」だと思っていたので、中国の旧正月(春節)が立春とはズレているのがずっと不思議だった。
「暦が違うのだろう」くらいに思って深く考えることもなかったが、太陽太陰暦では月の満ち欠けによって「ひと月」が決まるが、「立春と雨水の入る月」が旧暦の一月であり、簡単に言えば立春に近い朔(新月)が旧暦の元旦となる。

太陽太陰暦についても、日本と中国のそれは違うし、日本でも時代によってルールが変わるが、作句に差し障りの出るほどではない。

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# 穀雨

今日は二十四節気の「穀雨」。

歳時記を見ると「雨百穀を生ず」とのことで、要するに植物の生育を助ける雨が降る、ということであろう。

七十二候では「萍始めて生ず」「鳴鳩其の羽を払ふ」「戴勝桑に降る」。
この中では歳時記では「萍生ひ初む」があるくらい。

長靴の足跡黒き穀雨かな

# プロフィール

鈴木霞童

Author:鈴木霞童
平成25年、俳句結社「天穹」入会。
定年後に専門俳人になることを目指して修行中。

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