専門俳人を目指しています。俳句評論執筆のための文章修練、及び俳句実作。厳しい批評をお待ちしております。

# 二十四節気俳句生活

# 「天穹」7月号

天穹」7月号が届いた。

今回は、行けなかった夏の大会で発表された「天穹賞」の発表。
天穹賞の受賞はなく、準賞が二編。
お一方は「天空会」でいつもお世話になっている方、もうお一方は休刊した同じ師系の「さいかち」から来られた方で、お二方とも句会では常に上位のとてもお上手な方である。

また、役員の改選もあった。よく見知った方のお名前が役員欄に並んでいるが、結社の運営もなかなか大変そうである。私はまだフルタイムで働いている身であり、十分なお手伝いはできないが、いつか恩返しをしたいものである。

掲載順位は「花篝」欄の26番手で花丸もついていなかった。昨年は調子が良くて7月は7番手だったから、ただいま少々壁にぶち当たり中なのかもしれない。4ヶ月前、一つ殻を破りたくてこのブログを立ち上げたが、ブログ執筆にはそろそろ慣れてきたので、何か新しいことにチャレンジすべきかも知れない。俳人協会が主催している50歳未満の「若手句会」なるものがある(協会員でなくても誰でも参加できる)ようなので、参加してみたいのだが、残念ながら平日開催。休みの日に一人でぶらっと吟行でも出てみるか。

花篝欄の巻頭は「天空会」でご一緒させていただいている、句歴わずか半年ほどの方。とてもお上手な方だが、私は最初の1年間はずっと三句欄(後半の掲載)だったことを考えると、大きな差である。もちろん私にとってはいい刺激であり発奮材料になる。
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# 「俳句」7月号鑑賞

鶏締めてもてなされたるさくらかな  角谷昌子

例えば花見のバーベキュー、養鶏場とまでは言わないでも、卵の自家消費用に何羽か飼っているお宅の人が、そろそろ廃用の一羽を絞めて肉を持ち込んだか。なかなか豪快な光景だが、作者の作句意図はそうではない気がする。気になった句なのできちんと鑑賞したいが、残念ながら読み切れない。

陶工のへやにころがる籐枕  岬 幸夫

作家タイプの陶芸家、創作意欲が満ちるか、何かが閃くまで工房でごろり。芸術家の心意気か。

風止んでもとの形に戻る藤  武藤紀子

「天穹」で吟行に行った時は亀戸はまだ咲き始めだったが風が強かった。房の長く垂れた藤が強風で靡き、止んだ跡に本来の房の形に戻った姿を切り取っている。

フライング泳者最後に戻り来る  今井 聖

「しまった」と思っても表情に出してはいけない。平静を装って悠々と(見えるように)戻ってくるのだ。

鶏鳴につづく勤行明易し  菅野トモ子

スリランカでの海外詠のようだが、無論国内の寺院でも通用する句。違いは恐らく、かの地の僧侶は鶏を食べたりはしないであろうということ。

テーマ:俳句 - ジャンル:小説・文学

# メール句会

メール句会の結果をいただいた。点盛りはまずまず。

野球好きの方に選んでいただけたのが、

残鶯やピート・ローズの赤帽子

「残鶯」はぴったりだと思ったのだが、マイナスイメージで取り上げるのは季語の本意ではなかったか。


幹事さん(天穹成田支部の支部長)が選句結果を送ってくれる時に、この方はこのブログの熱心な(?)読者でいてくれて有り難いのだが、「霞童さんがブログで俳句入門をたくさん書いているので、私も対抗して・・・」と、数ヶ月前から各自の選句結果・点盛りと併せて俳句入門を書いてくれている。

今回は藤田湘子のいうところの「俳句メガネ」の話。俳句に慣れはじめた段階で起きる現象として、
・見るものがすべて俳句的になってしまう
・表現が俳句的常套語で固まってしまう
これ、少し前の「赤坂句会」で福田龍青先生に指摘されたことそのままだ。私も初心者から中級(?)の階段に足をかけ始めたということなのかもしれないが、ここからが険しい山道に分け入ることになるのだろう。心して挑んでいきたい。


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# 「俳句」7月号



角川「俳句」7月号が届いた。

平成俳壇」の結果は朝妻力先生の佳作に一句入れていただけた。

引つ越しのトラック二台四月来る

二号連続で佳作に入り、欲が出てきた。今月も自信作を三句選んで出そう。

角川「俳句」の読者投句は、他に平成俳壇の「題詠」と、岸本尚毅先生の「埋字で学ぶ五・七・五」があり、どちらも、特に岸本先生は昨年の「天穹」新年俳句大会で講演いただいたので投句したいのだが、どちらもこのために呻吟しないといけないので、なかなか投句出来ずにいる。今月もどうか。

# 「俳壇」7月号鑑賞(3)

同行二人・・・二人で五十句」は「同郷競詠」として千葉県在住のお二人の競詠の企画だった。

秋尾敏氏は野田市、能村研三氏は市川市。お二人とも「葛飾」というべき地方(江戸川の両岸が概ね「葛飾」であり、現在では東京都千葉に分かれている)の方だが、秋尾氏は北総地区を吟行されたのか、私にとって馴染みの深い地名の出ている句が並んでいる。

佐倉連隊夕闇の糸とんぼ  秋尾敏
印旛沼とはさみだるる種の起源
松落葉甚兵衛渡しより暮るる


現在は「国立歴史民族博物館」となっている佐倉城址は、永く佐倉連隊として使用されてきた。現在も当時の遺物がいくつか残っている。
今では干拓で随分と小さくなったが、佐倉城は印旛沼を自然の要害としている水城であり、「種の起源」とは大袈裟としても、大きく横たわるその姿は文化的な隔たりも生んでいた。
対岸に落日を望む甚兵衛渡しも、今は岸辺にはなく、碑を囲む松林によりその姿を留めるのみとなっている。ここまで我が家から車で十分足らず。

房総図逆さまにして彼岸西風  能村研三

南北が逆の世界地図をたまに見かける。私はニュージーランドで買ってきて暫く部屋に飾っていたことがあった。日本地図も南北を反転してみるとなかなかに面白い。特に房総半島は太平洋に突き出て壮観である。

菜種梅雨選書のゆるき町の書肆

「書肆」としか書かれていないが古書肆を思わせる。専門の細分化された神保町と違い、町の古書店(チェーン店でも良い)は一般的な本しか置いていないように見える(店主も気づかないお宝が眠っている可能性はある)。これが新刊書店では品揃えは店の大小によって決まることが多いため、「選書のゆるき」はあまりそぐわない。

無記名句貶されてゐる日永かな

「天穹」の句会でも多いが、合評後に名乗るやり方の句会で主宰の句が貶されていたのだろう。私のような新米は誰の句でも厳しい批評は言えないが、有力同人達の批評は厳しい。


なお、「第一回千葉県俳句大賞」に大串章氏の『海路』が選ばれたとのこと。


句集が対象であるし、千葉県俳句作家協会が主催なので会員になる必要があるのだろうが、いずれ、何十年後か(?)の目標にしていきたい。

# 「俳壇」7月号鑑賞(2)

高原の沼さざめくや落し文  藤木倶子

こういう自然な句を作りたいです。大景から音そして虫に、視点が動く間に音と「さざめく」だから風も感じる。取り合わせの句だけれどそう思わせないくらい自然に付いています。

葉桜や監視カメラのひそと在り  次井義泰

監視(防犯)カメラなんてどこにあるのかほとんど気がづきませんが、犯罪が起きたりすると犯人の移動ルートを追えるくらいあちこちに設置してる事がわかります。この作者は花の時期には花に見とれて気づかなかった監視カメラに、葉桜になったことで無粋にも気づいてしまったのでしょう。

男の子育てて蛙怖くなし  島村紀子

まさに「母は強し」ですね。蛙なんて見るのも嫌だった乙女もやんちゃな男児を育てるうちにそんなこと言っていられなくなった。お姑さんやご近所との付き合いもこうありたいものですね。

葉桜や雨のきらひな雨男  加藤耕子

ある有名気象予報士の講演で、「晴女や雨女っているんですか」と質問された方がいた。気象予報士いわく、「科学的には証明できませんが居ますよ。雨女と晴男が結婚して新婚旅行でレンタカーを借りたらご主人の側は晴れていて奥さんの側だけ雨が降ってそうです」なんて聞いたことを思い出しました。
「貴方が来ると雨ばっかりね」なんて茶化されて「俺も雨嫌いなんだよな」などとおどけて見せたのでしょうか。

老老介護深き息吐く水中花  五十畑悦雄

老々介護の句は散見するが、介護者の溜息と水中花が見事に取り合わされている。水の中の水中花まで息を吐いているかの味わい、二物衝撃の極みに思う。

# 「俳壇」7月号鑑賞(1)

田植待つ田となり果てしなく並び  加藤瑠璃子

代田が果てしなく並んでいる情景だけでも美しいが、「田植待つ」だから「さあ、これから植えるぞ!」という意気込み、または「こんなにあるのか、やれやれ」という感慨にも読めるが、もちろん前者と思いたい。

海開き荒れたる海に祝詞あぐ  塩川雄三

良い天気で海水浴客が大勢いれば盛り上がる海開きになるでしょうが、この日の海は荒れて遊泳禁止でしょうか。それでも、この夏の海の無事を祈る心に変りはありません。

少年は葉桜の頃青年に  鳴戸奈菜

子供はある時急に大人びることがあります。この時期とは限りませんが「葉桜」の季感にぴったりです。

天変の来るきつとくる更衣  松澤雅世

今号の私のベストワン。「貞子」をご存じない方も映画『リング』のこのシーン
きっと来る
を知っている方は多いのではないだろうか。
この映画の主題歌が「来ーるきっと来る」という有名なフレーズのある歌で、天変の連発している日本列島とホラー映画の怖さが不気味にマッチして、しかも「更衣」から幽霊の白衣まで想像できるという見事な句で、おまけに現在、この「貞子」ともう一つのジャパニーズホラーの雄、『呪怨』の「伽倻子」が共演しているというまさかの企画映画『貞子vs伽倻子』が絶賛公開中なのでもあります。
私は怖くて映画館には行けませんが。

友釣りの定めも知らず生簀鮎  源 鬼彦

まさか自分がこれから針に付けられて、しかも野鮎を釣るための囮にされるなんて、確かに全く想像もつかないに違いありません。こういう擬人化は、自分に置き換えて「一寸先は闇」と考えてみても別の違った味わいになります。

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# 「俳壇」7月号


俳壇」7月号の「結社の声-わが主張」に「天穹」が取り上げられていて、
佐々木建成主宰の紹介文と、同人40名の句が4ページに渡って掲載されている。

結社の成り立ち、歴史などは、何せ新参者なので知らなかったことがわかってよかったというのもあるが、やはり結社がこれだけ大きく取り上げられるのはとても嬉しい。

もちろん、同人でない私の句は掲載されていませんが、今年の「新年俳句大会」の写真に横顔が半分くらい写っていました。

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# 天空会月例会

昨日は「天空会」の例会があり、仕事は午後半休を取って参加した。

結果はまずまず。

毎回、終了後に近くの居酒屋で一杯やるのだが、私はまた体調がおかしくなって禁酒となり、元々弱いし好きでもないので飲めないのは一向に構わないのだが、酔わない分、皆さんのお話をよく聞くことができた。
今回興味深かったのは「添削のページ」のお話。
天穹」誌には「惜しい一句」という添削のページがあり、担当指導者の宮崎茂子先生も天空会例会のメンバーなので苦労話など色々なお話を聞くことができたのだが、まず主宰が選句して、漏れた句から添削する句を選ぶのは知っていたが、主宰の後に生の原稿が渡るのだそうである。もちろん紛失したら大変なので、本人手渡しになるように送るとのことだが、締切もタイトだし、留守にしていると受け取れないのでなかなか大変であるとのことであった。
それでも、ご本人によると、添削は楽しいしご自分に向いているとのことであった。
その話を聞いて、その場で今日の句会の句を添削していただいている方がいて、私もお願いしたかったのだが、なんとなく恥ずかしくてお願いできなかった。

俳句上達の秘訣に「たくさん恥をかく」というのがある。こんなことではイカン。

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# 「夏至」正木ゆう子



第四句集。


あらたまの月光は日光である

この方の代表句「水の地球すこしはなれて春の月」を思わせる。言われてみれば確かに、月光は日光である。

鶴帰るおほかたのことよしとして

「立つ鳥跡を濁さず」というが、この句は逆の意味のように思える。
単なる取り合わせとも擬人化とも読めるが、その両方か。鶴が帰るのを見て、作者の心の中で何かが一区切り付いたのだろうか。

ゼリー明るく羊羹暗く盆の家

新盆か。縁者から贈られたゼリーや羊羹が盆棚に置かれているのだろう。両者のパッケージの違いを上手く表している。
面白いのは、ゼリーは夏季で盆はもちろん秋季だが、東京風に新暦七月の盆と思えばおかしくないのだが、「羊羹」がもし「水羊羹」だとしたらこれも夏季になる。

夜更しの蛍は置いて帰りけり

蛍狩で何匹もいる蛍の中で、光だけで姿は見えないのに妙に気になる一匹を見つけたりすることがある。「夜更かしだから置いて帰る」とは、離れ難さを逆に突き放していて面白い。

あまつさへ転ぶ氷雨の船着場

雹ではなくこれは冬の氷雨。氷雨が降っているだけでも嫌なのに、乗る時か降りる時かわからないが、衆人観視の中滑って転んでしまうなんて! 冒頭に「あまつさへ」を持って来るところがニクイです、さすが。

熊を見し一度を何度でも話す

ご本人の体験とも思えないが、そりゃあ熊なんて見てしまっては色々な人に「ねえ聞いてこの前ね」と話さずにはいられないでしょう。似た字の「能を見し一度を何度でも話す」では興醒めですが。

鼻大き羚羊ならば夫によし

擬人化なのか、あるいは動物を人間に喩えているのか。正直言って意味は取れなかったが惹かれた句。女が男のどこに惹かれるかなんて、お互い想像もつかないことを言いたいと読むべきか。

顔見世や先師の痩軀なつかしく

「先師」は当然能村登四郎。「痩軀」とストレートに持ってきたのが歌舞伎のケレンにも通じるような。

テーマ:俳句 - ジャンル:小説・文学

# プロフィール

鈴木霞童

Author:鈴木霞童
平成25年、俳句結社「天穹」入会。
定年後に専門俳人になることを目指して修行中。

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