専門俳人を目指しています。俳句評論執筆のための文章修練、及び俳句実作。厳しい批評をお待ちしております。

# 二十四節気俳句生活

# 「天穹」2月号鑑賞(1)

風邪心地貼りし切手のやや傾ぎ  佐々木建成

高熱やひどい咳などがなくても、風邪をひいていると体がいつもの自分でない気がします。貼った切手が「やや傾ぐ」ということもいかにもありそうです。

茶の花垣半農教師出勤す

兼題で「茶の花」が出された時、田舎育ちの私は畑の境界の茶の木しか思い浮かびませんでした。また、公務員の兼業は禁止されているはずですが、農家を手伝う先生は普通にいます。郷愁を感じる一句です。

自転公転九十六転おらが春  福田龍青

自転は1日1回、公転は年一回。96回の公転という事実を、「おらが春」で締めたのが見事です。

セーターにをさまりのよき猪首かな  野間しげる

セーターをよく着ているのは私のイメージでは子供と若い女性なのですが、「猪首」が出てきたのが面白い。

胸中に書かざる言葉日記果つ  安江利子

人に見せない日記でも腹の中をすべて晒すわけではもちろんありません。人に言えない、日記にも書けないことも人生にはあります。

短日や裏戸に挟む回覧板  山口美智

お留守の隣家、とりあえず回覧板は置いておきますが、日が短い時分、早く帰って来て気づいてくれることを祈る気持ちです。

私は今年度、自治会の班長だったので回覧板の管理もやっていましたが、もう少しで解放されます!(もちろん大した労力では無いのですが、役員会に出ると自治会長の自慢話が長くて長くて・・・)

里神楽こはぜ嵌らぬ姫の足  籠田幸鳴

ほのぼのとしたものを感じます。用意されていた足袋が小さかったのか、成長して去年のが入らなくなったのか。前者の気がします。複数用意してあっても、全体的に体格のいい子が増えたのかもしれません。地域の伝統行事の一コマを見事に切り取っています。


(主宰詠、「風悠」欄、副主宰詠より)
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# 「天穹」2月号

天穹」2月号が届いた。

掲載順位は「花篝」欄の九番手、主宰の花丸もいただいた。

パソコンの排気の熱や夜半の冬

それから嬉しいことに、12月号の掲載句から、岩澤由紀さんの「心にひびく一句」に取り上げていただいたり、

芋茎干すひねもす予定無き日かな

内田静代さんから「私の推奨句」に選んでいただいたりした。

糸瓜棚自称俳人親しげに


そうそう、同人に昇格された方がおられるので来月以降はもっと上の掲載順位を目指したい!

# 旧正月

今日は旧正月。最近はこの時期にアジア各国から旅行者が増えることもあり、中国風に春節などと呼称することも一般的となり、どちらも季語である。

歳時記では「春」の部に記載されているが、今年は立春前に旧正月が来た。つまり、今年の立春は「新年立春」となるわけである。

この、旧正月の決め方は、「立春」の次の節気である「雨水」の前の朔日(新月の日、つまり旧暦の1日)を元旦とする、というルールに則って決められている。

今年は旧暦では五月に閏月があるが、この閏月の決め方も同様に二十四節気と月の満ち欠けにより決まってくる。


旧正や成田参道初不動 (あえて重季にしてみました)

# メール句会

会社の先輩が幹事をして下さっているメール句会。
今日あたり結果が出る頃だが、今日は休日出勤の振替休日を取得したので家のアドレスに結果を送っていただいた。

私の結果(点盛り)もまずまずだったが、今回は比較的点がバラけた。

さて、選句力は作句力に通じると言われるほどだが、そのあたりの深いところまでは私にはまだわからない。
しかし気をつけていることは、類想のありそうな句はなるべく取らないでおこう、ということである。
では上手な方たちはどうしているのか? 今回の結果を見ながら誰がどの句を取っていたか注視してみたが今ひとつわからない。
とりあえずこれからは、どの句会でもこれまで以上に「誰がどの句を取って、また取らなかったか」を注意深く観察してみよう。

# 「天穹」1月号鑑賞(5)

青蜜柑添へて駅弁渡さるる  さいとう酔夢

電車でのグループか団体旅行。幹事さんか添乗員さんが気を利かせて青蜜柑をくれたことが嬉しい。

武蔵野陵鎮めて山の粧へる  利光克孝

荘厳な武蔵野陵地。冬になる前に周囲の山々が一気に色づく姿が目に浮かびます。「武蔵野陵」は「むさしののみささぎ」、四基あわせて「武蔵陵墓地(むさしりょうぼち)」というそうですが、問題ないかと思います。

夜業の灯明日竣工のビル磨く  大平政弘

華々しい竣工式に備えてビルを磨く、大勢の手がかかったこの仕事の仕上げとして、念入りに磨く職人気質を思わせる。

先づ新酒汲みて挨拶長かりし  木内節子

乾杯の挨拶が長いというのはよくあることだが、あえて「新酒」としているところはその関係のイベントか何かであるおかしみを感じる。

体育祭来ぬと知りつつ親探す  芹澤則代

「体育祭」というのだから中学校以上か、あるいは何かの大会か。友達の親は来ている、うちの親は来ていないはずだが、「もしかしたら」と探してしまう。


(以上「花篝」欄より)

# 「俳句」2月号

角川「俳句」2月号が届いた。

ざっと一読して、目を引いた記事は「見学、体験入門可 全国句会情報」。
様々な結社の、「見学、体験入門可」の句会が列挙されているが、注目したのは句会場。公共施設、民間施設いろいろあるが、大人数を収容できる施設も探せばまだまだあるようである。

それから、「天声人語」前筆者の福島申二氏と宇多喜代子氏の対談で、金子兜太氏がノーベル文学賞の候補になっている可能性がある、との記事があった。
言われれば可能性がない話ではない。ノーベル文学賞は詩人も多く受賞しているし、村上春樹氏は作品の「軽み・エンタテインメント性の強さ」が受賞の妨げになっているとも言われているが、その点は金子氏はトラック島での戦争体験、労働組合活動、被爆地長崎での生活など、メッセージ性が強くノーベル文学賞向きの気がする。

ノーベル賞といえば、先日の「天穹」新年大会でもお会いした結社のブログ仲間(?)の佐藤俊童氏が「以前からずっと思っていますが、ノーベル賞は物理・化学・医学だけでいい。文学賞、経済学賞、平和賞はいらない」と書かれていましたが、私もほぼ同感で、「自然科学科学三賞」以外はいらない、とまでは言いませんが、価値が高いのはその三賞、価値が中くらいなのが経済学賞と文学賞、価値が低いのが平和賞、、、と思っていましたが、ボブ・ディランの受賞で文学賞は「経済学賞と平和賞の中間」くらいの価値になってしまったかな、と思っています。

とはいえ、もちろん俳人がノーベル賞を受賞するとは素晴らしいこと。期待したい。


「平成俳壇」は私の作品は残念ながら掲載なし。
しかし、先日の新年大会で主宰が「結社外に活動の幅を広げることはいいこと。総合誌の雑詠欄に投句することもその一つ」と言って下さったので、今後も投句は続ける。

# 「俳壇」2月号


今月号の目玉は何といっても「俳壇賞」の発表である。

今回は私は応募していないが、予選通過作品の作者30名の生年を見ると、私より年下は僅かお一人。若い人の多い「角川俳句賞」との大きな違いである。今年は応募しよう。

受賞作のタイトルは「虚子忌」。選者に星野高士氏がいることは無論わかっていてこのタイトルを付けられたのだろうが、なかなかチャレンジングではないか。星野氏はもしかしたらタイトルに惹きつけられるかも知れないが、ほかの四人の選者からはどう見られるだろうか。
もちろん内容がすべてといえばそれまでだが、このような賞や句集はタイトルもかなり大切なはずである。

果して、選考結果は、思惑通りというわけでもないだろうが星野氏が◎、宮坂静生氏が◯、冨士眞奈美氏が△とお三方が点を入れられて、見事受賞作となった。
選評では星野氏が「作者は女性なのかな」と発言されていたが、実際は男性で、なんと星野氏はおそらくよくご存知であろう「NHK俳句」のプロデューサーさんとのこと。

受賞作、候補作に共通して言えることは、やはり類想がありそうな句が少ないことである。

# 「俳句と暮らす」 小川軽舟


末に出版された本書、早速読んでみた。

「飯を作る」「会社で働く」などの章では、サラリーマンであり、単身赴任中の作者の身近にある俳句、つまりタイトルそのものの「俳句と暮らす」日々が綴られているが、終盤に置かれている「病気で死ぬ」では病に苦しんだ先人たち、「芭蕉も暮らす」では深川・芭蕉庵に侘び住まいしていた時の芭蕉について記している。

私が特に面白く読んだのは「散歩をする」の章。作者が一人暮らしをする岡本の町の散歩コースが紹介されていたが、同所に縁のある金子兜太、波多野爽波、和田悟朗とその句が紹介されている。
「天穹」の今年の夏の大会は大阪で開催される。芦屋の「虚子記念文学館」とこの岡本の町を歩いてみようか。

# 「天穹」新年俳句大会

今日は結社の新年会、「新年俳句大会」だったが、特別に「天穹創立二十周年」と銘打たれていた。
会場は天王洲の第一ホテル東京シーフォート。

ゲストの講話は歴史学者の山本博文先生
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「華麗なる江戸城大奥の世界」というタイトルだったが、ドラマなどで面白おかしく脚色されている大奥の、実際の姿を丁寧に解説して下さった。女だけの世界は人間関係が大切で、仕事も大変であるのは事実だが、宦官などを使わずに女性だけで役所の機能を果していたことが特徴的であったとのこと。

結社の新人賞である「花篝賞」の表彰や、新同人の紹介なども行われ、これは事前に連絡がなかったので私は関係ないことがわかっていたが、期待していた俳句大会は無声だった。(投句者に比して選者が少ないので例年半数以上が無声だが)


それから、二十周年ということもあり、結社名が「天穹」と決まった時のエピソードも披露された。
言われてみれば、広辞苑で見ると「大空」と書かれているのみで、あまり深く考えたこともなかった。

先師・松野自得の亡くなられた日は虹が出ていたそうである。「穹」の字は、家の中から見える虹を表している、とのことである。

# 「天穹」1月号鑑賞(4)

着ることも捨つる気もなし秋袷  皆川ふさ子

思い出の、お気に入りの一着でなくとも、着物はそう処分できません。箪笥を空にする理由もなく、持ち続けるのは普通のことでしょう。着ない「秋袷」が季語たりうるかといえば、着ることを想像することの季感もあるのではないでしょうか。

暮の秋指図の多きATM  石井信生

振り込め詐欺などの防止の為、これでもかと確認操作の多くなったATM。忙しい暮の秋には特に気になります。

刺し箸を叱られ芋の煮転がし  藤井祐喜

刺し箸がお行儀の悪いことはわかっています、わかっていますが刺す以外にどうやって食べる方法がありましょうか!

鮎落ちて村は静けさ取り戻す  大和田静子

鮎釣りの人気スポットなのでしょう。解禁日から賑わっていた人々がいなくなる、ほっとすると同時に一抹の寂しさもあるのかも知れません。

童うたの二番あやしや林檎剥く  野沢明子

一番ははっきり覚えている童謡も、二番はあやしいものも確かにあります。♪わたしはまっかなりんごです

藁砧記憶の底の土間暮し  梨本洋子

昔は土間には色々な物がありました。様々な道具類。暗い奥深くには砧などもあったような気がします。

家系図の複雑なリや烏瓜  中嶋旺泉

なかなか上手いことを仰る。確かに複雑な家系図によく似ています。

杉玉に大小のあり今年酒  油井三恵子

新酒の酒蔵をハシゴされたのでしょうか。楽しい一句。お酒好きにはたまらないことでしょう。

山葡萄山岳タクシー止めて見る  平林俊幸

登山口までの往復に乗る「山岳タクシー」、この言葉が出てくるだけで絶景が目に浮かびます。たわわに実った山葡萄、何粒かは失敬しても怒られない気がしますが、作者は潔く「見る」にとどめています。


(「風韻」「風霜」欄より)

# プロフィール

鈴木霞童

Author:鈴木霞童
平成25年、俳句結社「天穹」入会。
定年後に専門俳人になることを目指して修行中。

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