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越智建之 『澪標』



2018年最後のブログは、「天穹」同人・越智健之氏の句集・「澪標」を取り上げさせていただく。

子育ての跡を辿りて土筆摘

子育て期には何度も通った公園かどこか、久しぶりに歩いてみるとお子さんが小さかった頃のことを思い出す。土筆も、あの頃を思い出しながら久しぶりに摘んでみる。

書初や大言壮語憚らず

確かに、書初らしい文言といえば「初日の出」などの新年らしい語か、「星雲の志」「希望の光」など大言壮語である。だからといえ、「らしくない」語を書くわけにもいかず、書初の本質を表している。

平成の車争ひ賀茂祭

関西在住の作者。賀茂祭に車で行けるとは羨ましい限りだが、混雑・渋滞は付きものである。混むことは当然わかって行くわけだが、「あの駐車場にはこの時間に行けば大丈夫だろうか」「少し遠いがこちらが安全か」などと策を巡らせるのはまさに「車争い」。葵上の如く、後から悠々と関係者車両がやってくるのも憎らしい。

野宮や黒木鳥居に散る紅葉

作者は「天穹」の関西の句会を率いておられ、京都に吟行されることも多いようだ。
嵯峨野の吟行句と思われるが、こちらも「源氏物語」の舞台。明るい雰囲気の嵯峨野の中でも、独特の閑かさ、昏さの野宮社を上手く詠んでおられる。

漱石忌われに過ぎたる友ばかり

松山出身の作者。同郷のご友人が「天穹」に複数おられ、漱石と子規の関係を思わせる。

われにまだ若さの証大朝寝

私も最近実感しますが、年をとると本当に朝が強くなる。でも偶にはぐっすりよく寝られることもあり、得をした気分。「春眠」「目借り時」など、ともすればマイナスのイメージの春の睡眠を逆転の発送でプラスに転じた句。

繋がらぬ推理の鎖明易し

読み始めると止まらなくなる推理小説、ハッと気づくと外が白々と明け始める。冬では流石にありませんが、夏だからこそ。
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数へ日

有馬記念のブログで「数へ日」の季語を使ったが、毎年12月28日が仕事納めなので、私の「数へ日」は毎年29~31日の3日間という印象である。
この3日間は、毎年全く出かけないかといえばそんなこともないのだが、基本的には「年用意」や「煤掃」などで過ごす。

「天穹」誌も普段どおりに届いたが、当然、年末に発送作業などやっていただいている方がおられるからで、頭が下がる。
私も、現役を退いたら何かお役に立ちたいと思っている。

1901天穹誌

毎年楽しみにしている植田莫先生の表紙絵は、来年は「昔のお弁当」。
毎年思うことだが、数ある結社の中でも、こんな素敵な絵を使える結社はそうそうない。


結社誌といえば、「俳句」誌の新連載で、



生駒大祐氏の「結社誌全読破マラソン」という企画がスタートした。
毎月、「俳句」編集部に送られてくる600もの結社誌をくまなく読もうという企画だそうで、チャレンジされる生駒氏には本当に頭が下がる。お若い方(昭和62年生まれとのこと)なので、体力勝負で頑張られるのかと思う。
今月読破された380誌の中から、「天穹」からも石川洋子氏の句が掲載されていた。

スキー

有馬記念のオジュウチョウサンは9着。まずは実力通りと言ったところか。
想定外だったのは人気が下がって最終的には5番人気となったこと。これでは異常人気などとは言えず、馬券的な旨味はない。

私は迷った末に有馬記念には参加せず、一泊で那須にスキーに行ってきた。
1812那須

シーズン初期ということで、様々なリフト券の割引イベントを行っていたが、客の入りは今ひとつ。シーズン通せば黒字になるのだろうか? 日本の人口減少を実感した気がした。

スキー場遊び気分のアルバイト

ダークホース

明日の有馬記念は「オジュウチョウサン」という馬の出走が話題となっている。

オジュウチョウサン
この馬、昨年の同じ日に中山大障害の連覇を達成し、今夏から平地競走(障害でないレース)に復帰した馬で、ファン投票で有馬記念への出走を勝ち取った。

有馬記念の馬券の前売りでも2番人気となっており、人気の高さが伺えるが、実力の程は明らかではない。
夏から復帰した平地競走では2戦して連勝しているが、いずれも強い馬の出ていない条件レース(獲得賞金=実績の低い馬の出るレース)であった。

こういう、有力馬と戦ったことのない、実力の読めない馬、いわゆるダークホースが勝つということは、3歳クラシックレースでは稀に起こるが有馬記念で、となると聞いたことがない。

ところで、辞書で「ダークホース」を引くと、広辞苑では「①競馬で、穴馬。②能力・手腕ははっきりしないが、予想外の活躍をしそうな競争者・候補者。」とあるが、①は、ダークホースが勝つか馬券に絡めば「穴馬」となるが、今回のオジュウチョウサンのように実力が未知数でも人気になってしまえば「穴馬」ではなくなるので、これは本来の使い方ではなく、誤用が俗用されているだけである。
明鏡では「①競馬で、実力はわからないが予想外の活躍をして勝ち馬になるかも知れない馬。穴馬。②実力はわからないが有力とみなされている競争相手。」とあり、こちらがより正確である。

競馬が語源で俗用されている言葉にもう一つ、「デッドヒート」というものがある。
これは、競馬の1レースのことを「ヒート」といって、写真判定などない時代、目視で勝ち負けがわからなければ、「死んだヒート」となりレースは無効、つまり「同着」という意味なのであるが、「dead」なんて入っているので、日本では「死闘」などという意味で使われていたりする。
辞書では、広辞苑では「①(同点・同着の意)競馬・競走などで二者以上が同着になること。②転じて、厳しいせりあい」、明鏡では「競走や競馬で、二者以上がほとんど同時にゴールに入ること。一般に、激しい競り合いの意でも使う。」とあって、こちらは正確だ。

さて、そのダークホースのオジュウチョウサン、人気となっているので「穴馬」ではなくなるが、本来の意味でのダークホースではあり、実力の程はわからない。一般的に見れば、実績から考えると明日の有馬記念では16頭中10番手以下の評価が妥当で、馬券に絡むとは到底思えない。
つまり、前売り2番人気というのは明らかな「異常人気」であって、何を言いたいかというと、ここが一番重要なのであるが、パリ・ミューチュアル方式においてこういった異常人気、まず来ない馬に大量投票がある場合、「馬券を当てさえすれば」異常人気の馬の分の配当ボーナスが付き、普段より大きく儲けることが出来るということである。
明日は、そういった馬券の意味でも「世紀の一戦」となる。

これは、既に中央競馬ではそうではなくなったが、藤田菜七子が地方競馬にゲストで登場する時なども同様で、菜七子絡みの馬券は異常人気となるので、「来る」と予想したら当たっても配当上の旨味は無いので「見」として、「来ない」となれば配当にボーナスが付くのでとにかく当てに行く。
6月に船橋競馬に行ったときは、藤田菜七子が来ていたので、もちろん外して馬券を買ったが、当たらなければ配当ボーナスも何も関係ないことは無論である。
明日も、ここまで書いておいて何であるが、馬券を買うかどうかはわかならい。(^^;


数へ日にイヤホンで聴く競馬かな

風邪(天空会例会欠席)

18日は今年最後の天空会例会だったが、風邪で寝込んで欠席した。

当日は休日出勤の代休を貰う予定で、句会の前に浅草の羽子板市、年の市でも寄って来ようと思っていただけに残念だった。

体調が良くなって、今日は支部長さんと昼食を共にしていただき、句会の様子を伺うことができた。

私の点盛りはそれほどでもなかったが、主催の並選に3句も選んでいただけた。また、主宰と選が重なることも多く、相性が良くなっている(?)ようだ。

それはそうと、句会ではこんな句を出してみた。

ジーンズは老いこそ似合ふ冬夕焼

これは、ロバート・レッドフォードの俳優引退のニュースの写真を見て、「おー、格好エエなぁ、自分もこんな風に年をとりたいなぁ」と思って作った句であった。

レッドフォード

くるみ割り人形と秘密の王国

18121くるみ割り

あまり映画のレビューを書くと、俳句のブログだか映画のブログだかわからなくなってしまうので、この作品のレビューは書かないでおこうと思っていたのだが、どうしても書きたくなった。

主演女優のマッケンジー・フォイがとても魅力的なのだ。最初のシーンから一目で気に入った。
劇場映画の主役を張れるほどの美貌でもないと思うのだが、とにかくチャーミングである。
演技で絡みの多かったキーラ・ナイトレイを完全に凌駕していた。
そのうち大女優に化けるに違いない。

映画自体は、肩の力を抜いて楽しめるファンタジー娯楽作。子供に見せるのもいいかも知れない。

不満だったのは、せっかくのバレエが元の作品で(原作という意味では、バレエの原作の童話がそうらしい)あるのに、かの有名なバレエ音楽がロクに使われなかったこと。ダンスのシーンで「花のワルツ」が少し流れたくらいで、かの「行進曲」はほとんど使われていなかった。
バレエのシーンはそれなりだった。

★★★☆☆
ちゃんとしたオーケストラを使って、せめて「行進曲」と「花のワルツ」くらいはきちんと聴かせて欲しかった。

残念ながら不入りのようなので、「ボヘミアン・ラプソディ」よりこちらを先に見た。


会社から一旦家に帰り、今夜は車でレイトショーを見に行った。
帰りは、途中で田んぼの中に車を停めて「ふたご座流星群」を見ようと思っていたのだが、残念ながら雲が多くて見られなかった。

オリオンの剣にて雲を払いたし

成田句会

今日は成田句会だった。仕事でトラブルがあり、遅刻してしまったが途中から参加できた。

そして先生の「天」にとっていただけた。なんと2回連続の「天」である。これは嬉しい!

点盛りもまずまずだったが、自信があったのに点が入らなかった句がこれ。
着膨れやファンも呆るる巨人軍

今年のFA市場の超目玉であった丸と、投手陣の立て直しが急務な中の岩隈は仕方がないとしても、炭谷と中島は必要だったかね?

私はナベツネがオーナーになるまでは巨人ファンで、今は地元のロッテを応援しているので、千葉県出身の丸にはロッテに来てもらいたかったが、余程地元へのこだわりがない限りはジャイアンツだろうな、とは思っていた。

そして来年楽しみなのは、地元の成田高校の田宮選手が入った日本ハム。日本ハムの二軍施設は千葉県鎌ヶ谷市にあり、来年は金足農の吉田も鎌ヶ谷に来るはずなので、久しぶりに二軍戦でも見に行こうかと思っている。

ピアノ発表会(月例吟行会欠席)

今日は「天穹」本部主催の月例吟行会(会場は駒場公園)だったが、娘のピアノ発表会があったのでお休みした。

1812ピアノ
毎年1回、発表会を開催してくれる先生で、娘は5回目。
近所のとても音響の良い公共ホールで和気藹々とアットホームな雰囲気で開催される。
毎回、親も子も大満足である。

演奏の時のみ外すマスクかな

カメラを止めるな!

カメラを止めるな

先ごろ発表された日経の2018年ヒット番付、西前頭筆頭がこの映画「カメラを止めるな!」だった。

私はこの映画、4月に「三里塚のイカロス」を見た映画館で予告編を見ており、気になっていたのだが、公開後にSNSなどで大評判を呼んで全国ロードショーとなった。

アイデア勝負の低予算コメディ映画と言ってしまえばそれまでだが、キャスト・スタッフの「気合い」と作り込みの熱量が熱く伝わって来る。
冒頭、37分のホラー作品が流れるが、言われなければすぐには気づかないかも知れないがカメラ1つのワンカット映像であり、そこからこの映画がスタートする。

一番の見どころは、エンドロールで流される実際のメイキング映像。私はこれに深い感動を覚えた。

★★★☆☆
大ヒットも納得の、日本の映画史上に残る作品。
プロデューサー役の女優(本業は芸人)の存在感がすごいが、既に売れっ子になっている模様。


西前頭五枚目は銀座のソニーパーク。
1812ソニーパーク

先日の銀座吟行で「なんだこれは?」と気になった場所。
ジャングルっぽい佇まいが、「夏なら句になるのにな」と作句はしなかった。

野地秩嘉 『トヨタ 現場の「オヤジ」たち』



トヨタの「中卒の副社長」河合満氏を中心に、トヨタ工場の現場で働いてきた人々の物語。

前回のブログの千松信也氏が「京大卒の猟師」だから、対象的なお二人である。

河合氏が副社長になることができたのは、トヨタの特色である「カイゼン」に人一倍取り組んだことと、現場で生産性を上げるためには社長にすら歯に衣着せぬ物言いをできたこと、のようだ。
もちろん、トヨタのもう一方の特色である、アットホームな雰囲気に合っていたこともあるだろう。

よく、海外メーカーと日本のメーカーの対比で、「給与が同じはずの作業員がなぜ会社のために尽くすのか」「やりがいを感じることが高品質を生む」などと日本の生産現場の優位性を説かれることがあるが、本書でもそうだが宗教に関する考えが抜け落ちてる。
キリスト教圏では、アダムとイブが禁断の果実を食べてしまったばかりに、つまり「原罪」を背負うことによって楽園を追放されて、その子孫まで「労働」という苦役を背負わされたということになっている。つまり、日本人のメンタリティにある「働く喜び」とは対象的なわけである。
日本の経営者は、本書にも書かれているが、豊田英二氏や豊田章男氏が現場を大切にしたり、作業員出身の副社長が誕生したりと、「経営と現場の一体化」が善として強調されるが、キリスト教圏では工場で働く人たちは「原罪を償っている人々」に過ぎず、それこそカルロス・ゴーンではないが、現場の人間を簡単に切って経営層が高額な報酬を得る(汗水たらして働かなくていい人々は「原罪」から開放された特権階級と思っている)ことを「当然」と思うわけだ。
つまりは、製造業においてキリスト教圏に対して、非キリスト教圏である日本が優位に立つのは「日本人の勤勉さ」「教育水神の高さ」が原因ではなく、単なる宗教観の違いであり、ある意味当然のことであって、日本のライバルとなり得るのは非キリスト教圏の国々となる。

★★★★☆
「ジャスト・イン・タイム」「カンバン」などの「トヨタ生産方式」に関する書物は多いが、少し違った切り口から見るとこんなに面白い読み物になるのかと感心した。一気に読み通せた。
プロフィール

鈴木霞童

Author:鈴木霞童
平成25年「天穹」入会。30年同人。
定年後に専門俳人になることを目指して修行中。

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