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「俳句界」5月号鑑賞

蓋開いて箱に仔猫の三匹も  小澤實

昔よく見かけた捨て猫も、すっかり見かけなくなった。かつては、それでも誰かが拾って育ててくれたのだろうが、今はそれも期待薄、ということだろうか。「三匹」がリアルである。

郭公や斜度を増しゆくロープウェー  小山徳夫

ロープは撓むので、確かに頂上付近は最も斜度がきつくなるが、それ以上に僅かな時間で、麓から郭公が似合いの深山へ一気に運ばれる異世界性が面白い。風景ががらりと変わるさまを上手く切り取っている。

万緑や原子炉裸見せしまま  五島瑛巳

「万緑」が効いて原子炉と呼応している。あれから6年、木々に吸収された放射性物質もだいぶ崩壊してきただろうか。

老木と思へぬ山の若葉かな  杉本艸舟

生命感に満ち溢れている若葉、木が老木であることも一瞬忘れ去るほどである。

星涼し森に化石を眠らせて  環 順子

全身骨格が発見された「むかわ竜」のニュースは新しいが、まだまだ未知の化石が眠っていそうだ。

地球より酸素の洩るる良夜かな  姜 琪東

どんなに月が近く見えても、地球から遠く離れた大気のない世界。とはいえ、ちょっと信じがたく、空気のある夜空に浮かんでいるようにも見えます。

囀りや鳥にはじまる修羅の日々  川上呉郎

六道で人間と畜生の間の修羅。囀る小鳥も来世は人間に生まれ変わるか、あるいは前世は人間で俳句でもひねっていたか。
・・・という風に解釈したが如何。

竹皮を脱ぎて土の香捨てにけり  大矢恒彦

一気に伸びる筍。数日前まで土の中にいたとは全く思えないほど見事な若竹となる。
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プロフィール

鈴木霞童

Author:鈴木霞童
平成25年「天穹」入会。30年同人。
定年後に専門俳人になることを目指して修行中。

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