# 「天穹」 4月号
先月から同人の欄に載せていただいているが、まだちょっと慣れない。それはそうと、今号の掲載順は今いちであった。
孟宗のひれ伏す雪の重さかな 佐々木建成
今年の大雪は、私の家の方でも竹の雪折れが目立ったが、安易に「雪折れ」など使わずに、「孟宗のひれ伏す」という表現で景に具体性を持たせている。
仄あかき皆既月食浮寝鳥 福田龍青
予報に反して晴れ、見ることができた皆既月食、ぼんやり赤く浮かび上がる月はある種異様な光景に見えました。そんな事も知らずに寝ていた浮寝鳥。
初夢の迷路出られずじまひかな 野間しげる
夢の中では迷路に限らず、何かのトラブルに巻き込まれても夢の中で解決することはなかなかありません。初夢と言えど「一富士二鷹」などではなくありがちな夢であることが現実的。
嫁が買ふ派手で黴びない鏡餅 立道すみ女
鏡餅は黴びるもの。水に漬けたり削ったりしてお汁粉にしたものですが、表面を削っても、発がん性のある黴の根は奥まで浸透しているとか。新しい物の良さは認めつつも、やはり昔を懐かしむ気持ちが勝ってしまう。
釘一本打てぬ店子や初暦 中野捷子
仮住まいの住居でしょうか。長く住むつもりなら自分の物のように使えても、数年後に返すのなら原状回復費用はなるべく少なくして敷金は1円でも多く返してもらいたいもの。釘一本でも躊躇してしまいます。
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