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天穹 6月号

「天穹」6月号が届いた。

掲載順はあまり良くなかったが、今月は、今年から同人にしていただけたためか、句評のページの原稿を頼まれている。
同人になっていない方の掲載ページから好きな句を何句か選んで評を書くのである。初めてなので気合が入っている。

このブログでは、いつものように主宰以下幹部の方々の句より。


迷ひ込む路地や葉牡丹茎立てり  佐々木建成

私も参加した吟行会での句。よく言われることに、「吟行に参加している人にしかわからない句は、吟行会だけのもの」などと言われるが、この句は吟行を離れても完全に成立している。
実景は佃島であるが、他の下町のどこかでも、京都でも成立する。


啓蟄の土塀に熊手立ち並ぶ  野間しげる

何の作業のための熊手かわからないが、私には大変に実感が湧く。啓蟄の頃は芝の手入れを始める時期、熊手で芝の枯れ葉(サッチ)を集め、根切りやエアレーションを行い、最後に目土(私は川砂)を入れる。今年はサボったので雑草が生え始めている。


噛む程に田の香の滲む田螺和  籠田幸鳴

小さくとも栄螺にも匹敵するような田螺の歯応えを「噛む程」の措辞で上手く表現している。「田の香」は泥臭さか? 少しであれば懐かしい香りである。


故郷を出で来し位牌草の餅  屋内修一

後継者がいなくなった生家の位牌を引き取ってきた。もしかしたら墓仕舞いも。少子化で、今後は当たり前となる光景であろう。「草の餅」は故郷の懐かしさを感じさせる。
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プロフィール

鈴木霞童

Author:鈴木霞童
平成25年「天穹」入会。30年同人。
定年後に専門俳人になることを目指して修行中。

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